皆さんは、3大ロンドンパンク・バンドでは、どのバンドが一番好きですか?
セックス・ピストルズですか? クラッシュですか? それともダムドですか?
少し自分の思い出話を。高校生になりたてのケツの青~いハナタレ小僧の私は、当時の爆発的メロコアブームに魅了され(厳密に言えばHi-STANDARDに)、「パンクってかっけー!」なんて衝動的に、お小遣い・お年玉などを全てCDショップの「パンク」という宣伝文句が入ったCDに注ぎ込んでいました。しかし掘り方がてんでガキだったので、パンクらしいパンクになかなか行き着かない。そして思い立ったが、「一番古いパンクの始まりを聴こう!」という権威主義的発想でした。
そこで出会ったのが、セックス・ピストルズ。映画「シド&ナンシー」の有名な二人の写真は強烈に印象にあったので、あの名盤、「Never Mind The Bollocks」を即刻購入しました。
ドキドキしながらCDをポートインして再生すると! …そこにはヘニョヘニョでスカスカなオールド・スクールが流れてくるではありませんか!(笑)
まああの頃の私には、聴くのが早かったんですね。あのマスメディアとイギリスの封建制度への怒りを反映したサウンドを聴く為には、なにぶん私はメロコアを聴きすぎていました。BPM160オーバーのロックに慣れ過ぎていた当時の私では、セックス・ピストルズの魅力は1%も理解出来なかったのです。
いやー落ち込みました! 「もしかして私はパンクなんて何もわかってないんじゃないか?」なんてどうしようもない悩みまで持つ始末!(当時15歳ですので、この青臭さは許してやってください…。)
そんなパンク道の路頭に迷っていた私を救ったのが、本作「Dammed,Dammed,Dammed」でした。
セックス・ピストルズで心折れずダムドに手を出した私を褒めてあげたいです。(それがクラッシュだったら私の心は恐らく砕けていたでしょう。)
本作はロンドンパンクの中でも、3コード・歪んだ音色・高速8ビート・ひたすら自由と既成に対する反抗の熱を掲げたメッセージ…などのパンクのよりプリミティブな面を押し進め確立した作品です。
ひたすら衝動と、自分へのネガティブを笑い飛ばす「Neat Neat Neat」、跳ねるスネアに呼応するように鋭くギターが唸る「New Rose」、焦燥感に駆られたようにサウンドと言葉を畳みかける「Stab your Back」。これらの全てはそれまでに聴いてきたメロコアの楽天的観念と、激しさはあったがどこか整合性に捕われているサウンドの全てをあざ笑うかのようでした。
「パンクは衝動。」
もはや慣用句化された言葉ですが、それは高速な演奏とか激しいアティチュードによって得られる理念ではない。それを私に教えてくれたのが本作です。
パンクは自由であり解放的である。その先にあるものは聴くもの全てが踊り狂う圧倒的な熱だ。そんな事を本作の決して整っているとはいえない、しかしどうしても胸を焦がさずにはいられないサウンド、ビートに教えてもらいました。
パンクの産声を聴きたいならまずはダムド! これは私が今まで誰に対しても言ってきた事です。ピストルズもクラッシュもその革命的サウンドとアティチュードを学ぶにはちょっとした勉強が必要です。まあサウンドだけ聴いて楽しいって人はそれで十分ですが。それでもその二者は、どうしても社会に対する反抗とロック史における対メディア思想に根付く活動をしていました。クラッシュに至っては音楽性で言ったら、クロスオーヴァー手法を用いてロックの雑食性を再提示した革命的サウンドを生み出しています。それらを全て踏まえて熱が伝わってくるかなと個人的には思っています。
もしあなたがパンクにシンプルな「衝動」をイメージするなら、まさに本作はうってつけです。本作「Dammed,Dammed,Dammed」は、1970年代に何かをぶっ壊したくて仕方がなかったロンドンパンク少年の衝動の叫びがパッケージされています!